長谷川能三のHP月刊『うちゅう』街角ウォッチング  

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黄道十二宮とアトラス
 JR大阪駅と北新地駅をつなぐ地下街「ディアモール大阪」のちょうど真ん中あたり(地図)に、巨大な黄道十二宮のレリーフがあります(追記:その後この場所は梅田DTタワーの入り口になり、レリーフは撤去されました)。 おなじみの「おひつじ」「おうし」「ふたご」…の姿が描かれているのですが、星図になっているわけではないので、星座を見慣れた人にはその並び方がちょっと不満に思えるかもしれません。
 そのレリーフの左下と右下には天を支える巨人アトラスの姿があります。 このアトラスが肩に担いだ天球をよく見ると、あまりきれいではありませんが、一応本当の星座の並びに合わせてオリオン座やおうし座、ふたご座…などの姿が並んでいます。
 でも、あれっ?天球というのは空を球に見立てて、そこに星や星座を描いたものです。 ですから球の内側から見ると星座の並びは正しいのですが、外から見ると裏返しになってしまいます。 天球儀として形になったものは、普通は外からしか見ることはできませんが、それでも内側から見て正しい星座の並びになるように、外から見ると星座が裏返しになっています。
黄道十二宮のレリーフ
左下のアトラス右下のアトラス
 そう思ってよく見てみると、左下のアトラスが担いだ天球は外から見て普通の星座の並びになっていますが、右下のアトラスが担いだ天球は外から見て星座が裏返し、つまり正しい天球になっています。
 またこの天球には、黄道星座に沿って線が2本の引いてあるようなのですが、黄道なら1本ですよね。 黄道は天球上の太陽の通り道ですが、惑星は黄道からある程度離れるので、この範囲を(黄道十二宮に動物が多いので)獣帯といいます。 この天球に描かれているのは獣帯を表わす線なのでしょうね。


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