太陽系外の地球型惑星
地球型惑星(?)Gliese581cの想像図([ESO])

"第2の地球"発見か!?

 太陽系外惑星探査で、いよいよ地球に似た惑星が見つかったようです。

 ヨーロッパ南天文台ESOの3.6m望遠鏡で、てんぴん座のGliese581という恒星(赤経15h19m26s、赤緯−7°43’20”、距離20.5光年)に、地球の1.5倍の大きさをもつ惑星が発見されました。 今まで見つかった太陽系外惑星の中でもっとも地球に似ているものです。

 似ているのは大きさだけではありません、おそらく岩石でできている惑星であること、そしてなにより液体の水が存在しうる生命生存可能領域にあることが似ているのです。

 Gliese581cと名づけられたこの惑星は中心星(太陽にあたる星)を公転周期13日でめぐっています。 距離にすれば1100万kmと、地球−太陽間の14分の1程度でとても近く、本当ならとても熱いはずですが、 中心星Gliese581が太陽の3分の1程度の大きさしかなく、明るさも太陽の50分の1と暗く冷たいため、 惑星Gliese581cの平均気温は0〜40℃、おそらく液体の水が存在できる(!)のではないかと考えられています。

 実際にGliese581cに液体の水があるか、生命がいるのか、はまだ分かりませんが、今回の発見の意義として大きいのは、中心星Gliese581のような、小さく暗い恒星が銀河系内では多数派だということです。 銀河系内にはGliese581のような恒星が文字通り"星の数ほど"あるので、生命生存可能領域も銀河系内に多数存在することになります。 やがては、本当の意味で"第2の地球"が見つかるかもしれません。 Gliese581cの位置(ステラナビゲータVer.8により作成)

 ちなみに、Gliese581は他に2つの惑星が見つかっており、一つは地球の15倍の質量をもつ海王星サイズの惑星(公転周期5.8日)、もう一つは地球の8倍程度のもの(公転周期84日)です。 大小複数の惑星をもっているところも、太陽系とよく似ています。


原文は英語ですがESOのプレスリリースをご覧ください。


てんびん座にはあまり明るい星はありませんが、4月末現在、一晩中見えています。


2007.4.26記(石坂

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