重力レンズ銀河、新たに67個

重力レンズ、遠方銀河を見出す

 重力レンズ銀河[NASA, ESA, C. Faure (Zentrum Fur Astronomie, University of Heidelberg) and J.P. Kneib (Laboratoire d'Astrophysique de Marseille)]  ヨーロッパおよびアメリカの天文学者チームがハッブル宇宙望遠鏡HSTを使い、新たに67個の重力レンズ銀河を発見しました。

 重力レンズは、手前にある天体の重力がレンズのように遠方の天体からの光を集めるものです。 重力レンズ効果により、遠方の天体は本来より大きく明るく見えるため、より遠方の天体を観測することができます。

 従来、重力レンズは銀河団をターゲットに探すことが多かったのですが、今回は大型の銀河が重力レンズになっているものを調べたようです。

 1平方度程度の狭い範囲を調べただけであるにも関わらず、重力レンズ効果を受けたと思われる遠方の銀河が67個も発見されました。 空全体では、100万個以上もある計算になります。

 重力レンズは手前にどのような質量(天体やダークマター)の分布があるかを教えてくれます。 今後の詳細な解析が期待されます。


●原文は英語ですがHSTのプレスリリースをご覧ください。

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2008.2.21記(石坂

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