太陽系外惑星に初の有機物検出

ホットジュピターにメタンがあった!

 HD189733b想像図[ESA/ NASA/ UCL (G. Tinetti)]  太陽系以外の惑星は現在、200個以上発見されています。 地球のように生命が存在する太陽系外惑星を探し出すことが、世界的なレースになっています。

 今回、ヨーロッパおよびアメリカの天文学者チームがハッブル宇宙望遠鏡HSTを使い、HD189733(こぎつね座、63光年)のホットジュピター型惑星の大気に、水蒸気とメタンが含まれていることを発見しました。
 メタンは有機物としてもっとも基本的なものであり、太陽系外惑星で有機物が見出されたのは初めてのことです。

 メタンは天然ガスの主成分であり、地球では生命活動によって発生し、牛のゲップにも大量に含まれていますが、今回観測された太陽系外惑星HD189733bは、ホットジュピター型で、主星(太陽系では太陽に相当する恒星)のすぐ近くを公転する非常に温度の高い(予想最高気温900℃)、大型ガス惑星なので、生命がいる可能性は残念ながらありません。

 しかし、太陽系以外の惑星にも有機物が存在すること、そして、それを見つけることができた、という今回の結果は、将来の地球型生命惑星の発見に向けての大いなる希望となります。


●原文は英語ですがHSTのプレスリリースをご覧ください。

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2008.3.20記(石坂

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