地球の水の起源は・・・?

ほうき星の水と地球の水の組成が同じだった!

 ヨーロッパ宇宙機構ESAのハーシェル宇宙望遠鏡が、ハートレイ第2彗星を観測し、その水の組成が地球の水と同じであることを発表しました。 
 水の分子は水素原子が2個、酸素原子が1個からできていますが、2個の水素のうち1個が重水素に置き換わった重水の割合が、地球の水と同じだったのです。 ハーシェル宇宙望遠鏡がハートレイ第2彗星の重水の割合を測定し、地球の水と同じであることを示した[NASA/JPL-Caltech]

 ハートレイ第2彗星は、周期6.5年のほうき星で、比較的地球に近い小惑星帯からやってきていますが、もともとは、もっと太陽系の外側「外縁部(カイパー・ベルト)」にあったものだと考えられています。
 これまでの観測研究では、もっと遠いオールトの雲(まだ存在は証明されていません)からやってきているほうき星について、重水の割合が地球の水より高い、という結果が出ていました。 そのため、地球の水のうち、ほうき星起源は10%程度だろうと見積もられていました。 残りの90%の水の起源についてはナゾだったのです。

 ところが今回、ほうき星の水と地球の水とが同じ組成であることが分かり、科学者たちはとても驚いています。
 地球の海の水は多数のほうき星が地球に落ちてくることでもたらされた・・・と説明がつく可能性が出てきました。


 原文は英語ですが ESAのプレスリリース をご覧ください。

2011.10.14記(石坂

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