2015年4月4日、皆既月食
2014年10月8日19:24 撮影:長谷川能三学芸員

皆既月食を見よう!


 昨年の10月8日に続いて、4月4日に皆既月食がありました。
 が、大阪はべた曇りで、全く見えませんでした!残念!

 次回の皆既月食は3年後の2018年1月31日21:51〜23:08(月食は20:48〜24:14)です。次は晴れますように・・・

    皆既月食2015年4月4日の経過(ステラナビゲータにより作図)
月に映る地球の影(ステラナビゲータにより作図)

●月食とは・・・

 月食は太陽−地球−月がこの順番で一直線上にならび、地球の影に満月が入る現象です。 月に太陽の光が当たらなくなるので暗くなります(右の図は地球の影を固定しつつ1時間ごとの月の位置を重ねたものです。月の上に映る地球の丸い影が分かります)。
 太陽−地球−月の順番でほぼ一直線上にならぶ時が「満月」ですから、月食は必ず満月の時に起きます (ただし、満月の時に必ず月食が起きるわけではありません。月の軌道面と地球の公転面が5°ほどズレているためです)。

 一方、太陽−−地球の順で一直線上に並ぶと、太陽の光が月に遮られて、地球上で日食が起きます。

 「日食」と「月食」は同じ「食」という字を使っていてややこしいですが、現象としては性質が違っています。 日食は、月によって太陽が隠されるので、「掩蔽」あるいは「太陽面通過」という現象の一種です。

月食の概念図  日食の概念図
※上図はどちらも地球や月の大きさ・距離を強調

 「月食」が起きているとき、もし月面から地球の方向を見ると、どうなるのでしょうか?

 月食は地球によって太陽の光が遮られている状態なので、月面にいる人にとっては「日食」が起きていることになりますね。
 逆に、「日食」の時に月から地球を眺めると、地球に月の丸い影が落ちているのが見えるはずです。
 月食が起きている時には、地上ではどこから見ても(月が見える位置なら)月が暗くなりますが、日食の時は、月の影が落ちているところだけで太陽が欠けることになります。 

●皆既月食中の月の色は?

 皆既月食になった時の月の色に注目してください。
 黒いでしょうか?それとも明るいオレンジ色でしょうか?
 地球には大気があるので、太陽の光は完全には遮られれず、地球の空気を通った光が月に当たります。 夕方の空が茜色に染まることから分かるように、地球の大気の層を通った太陽光は赤っぽくなります。 ですから、皆既月食中の月の色は「赤銅色」になる、と言われています。
 しかし、経済活動により発生するチリや噴火による火山灰などで地球の大気が汚れていると、太陽の光が通りにくくなって、月は黒っぽくなります。
 皆既月食中の月の色は、地球の大気の汚れ具合も教えてくれるのです。

※皆既月食の色が観察できたら、国立天文台「皆既月食を観察しよう2015」キャンペーンサイトに報告してください。

●今回のポイント

 4月4日というと、桜が咲いている頃ですね。土曜日ですから、お花見をしている方も多いでしょう。
 ぜひお花見がてら、お月見をしてみてください。
 特に、宴たけなわの午後9時前後、満月も、まるで花見酒を飲んだかのように赤くなっています。

※科学館では特別観望会を開催します!
 お申込みは不要、無料です(天候不良時は中止)。19:30頃〜21:30頃、科学館南広場にお集まりください。

●参考:皆既月食2015年4月4日についてのリンク集


2015.4.5改(石坂

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