ダブル・ブラックホール

巨大ブラックホールのペアが見つかった!

 ほとんどすべての銀河の中心には巨大ブラックホールがあると考えられています。
 そして、銀河は合体をくりかえして大きくなってきたと考えられています。
 また、銀河中心ブラックホールの質量は、銀河の(球形部分の)恒星の数に比例する:つまり、大きな銀河ほど中心ブラックホールは巨大になることもわかっています。

 ということは、合体から間もない銀河の中心には、合体前の銀河の中心にあった2つの巨大ブラックホールがあるはずです。

 最近、銀河中心で巨大ブラックホールがペアになっている事例が2件報告されました。
クェーサーMrk231の中心にあるダブル・ブラックホール(想像図)[NASA, ESA, and G. Bacon (STScI)]
 
 ひとつはクェーサーMrk231で、もうひとつはPG1302-102です。

 
 Mrk231の方は、太陽の1.5億倍の質量のブラックホールと400万倍のブラックホールがペアになって、1.2年周期で互いに回りあっています。
 PG1302-102の方は、質量については書いてありませんが、2つのブラックホールが光速の5%という猛烈なスピードで回りあっています。

 どちらも、あと数10万年〜数100万年で、重力波を放出して2つのブラックホールが合体すると考えられています。
 重力波は一般相対性理論から予測される空間のゆがみです。
 今年はブラックホールの基礎理論でもある一般相対性理論が発表されてから100年、国際光年です。
 科学館では、国際光年に協賛してプラネタリウム「ブラックホール」を投影中です。

2015. 9.17記(石坂

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