『科学談話室』の話題より | ||
[danwa:0037] 水中通信(深海探査船との通信?) | |
Date:Sun, 5 Dec 1999 22:26:24 | From: 浦田 |
こんばんは、浦田です、渦の話から脱線します。 船場の若旦那さんはアマチュア無線をされているのですね。 真空管の送受信機、今も倉の中に大切に保管しています。 今使うと周波数が動いて追っかけるのたいへんだから相手が見つからないで しょうね。 携帯電話が普及するまで、アマチュア無線は電話代わりに使われてにぎやかで したが、今は静か過ぎて寂しいです。 深海探査船と海上船との通信はどのようにしているのか、よろしければ、簡単 に教えていただけますか。? |
[danwa:0038] Re: 水中通信(Re: 深海探査船との通信?) | ||
Date:Mon, 6 Dec 1999 16:12:38 | From: 船場の若旦那 | |
浦田さん、こんにちは。 恥ずかしながら、中学生以来ず〜とQRTのままです。
http://w3.jamstec.go.jp/ jamstec-j/ H10kadai/project/ project7.html に載っておりました。他にもいろいろな試みがあると思いますが、 軍事用の通信については、まだまだ秘密が多いと存じております。 今後とも、何卒宜しくお願い申し上げます。失礼いたしました。 |
[danwa:0040] Re: 水中通信(Re: 深海探査船との通信?) | |
Date:Tue, 7 Dec 1999 00:50:05 | From: 浦田 |
船場の若旦那さんありがとうございます。工作マニアの浦田です。 ホームページ見てきました。水中の通信方式はフリケンシーシフトキーイング FSK(例えば40kHzを1、80kHzを0とする通信方式)で可能とい うことがわかりました。もっと詳しく載ってたかなあ?? 一つ賢くなりまし た。 ラジコンの27や40メガヘルツくらいなら水中2メートルくらいまで届くか ら、水槽に小さな飛行機の模型を入れて、編隊飛行や底に着陸なんていうゲー ムができたら面白そうです。 そうだ、浮力を調節しておけば、宇宙船のドッキングとか月着陸シミュレータ ができるかも、・・・いつか作ろっと。 携帯電話(PHS 1.3ギガヘルツでしたっけ)を密閉弁当箱に入れてたらい に沈めたら、5ミリ沈めるだけで、圏外になってしまいました。薄い水の膜で もたくさん吸収されてしまうようです。そういえば、10年前、郵政省が携帯 電話のアンテナを目の前に持って行かないほうがいいとか言ってました。 目の前にアンテナを持ってきて話すひとはいませんよねえ。 |
[danwa:0092] Re: 水中通信(Re: 深海探査船との通信?) | ||
Date:Wed, 22 Dec 1999 18:10:42 | From: 長谷川 | |
浦田さん、船場の若旦那さん、談話室のみなさん、こんにちは。長谷川です。 J.D.ジャクソンの『電磁気学(上)』(吉岡書店)という本に、水の級数係数のグ ラフがあります。吸収係数をα[cm-1]とすると、水中をx[cm]進んだとき の光(電磁波)の強度はex/α分の1に落ちます。つまり、「吸収係数の 逆数の距離」で強度はe分の1(約37%)に、「吸収係数の逆数の5倍の距離」で 約150分の1に、10倍の距離で約2万分の1になります。 でこのグラフを見ると、人間の目には透明に見える水ですが、波長(振動数)に よって吸収係数は劇的に変化します。 「吸収係数の逆数(強度が1/e(37%)になる距離)」でいうと、一番透過率の高 いところはだいたい可視光の緑色付近で吸収係数の逆数が約50m、ここから離 れるにつれ急激に透過しにくくなりますが、人間の可視域の紫色の端で約10m、 赤い方の端で約1mになっています。 可視域から離れてもどんどん透過しにくくなり、紫外側で波長が200nm〜0.2nm くらいの範囲では吸収係数の逆数が1mm以下に、赤外側でも波長が1.3μm〜2cm くらいの範囲では吸収係数の逆数が1mm以下になってます(つまり5mm先での強 度は150分の1以下)。 つまり、水は劇的に可視光だけを透過しているのです。 浦田さん [danwa:0040]
また、40kHz(波長7.5km)や80kHz(波長3.7km)では水に関するデータはないので すが、電気を通す海水では、その抵抗値から40kHzで吸収係数の逆数が60cm、 80kHzでは42cmと計算されるそうです。 …しかし、これじゃぁ水中通信はできない?? |
[danwa:0093] Re: 水中通信(電磁波・音波) | ||
Date:Thu, 23 Dec 1999 01:07:13 | From: 船場の若旦那 | |
船場の若旦那です。 長谷川さん wrote:
現在実用になっている水中での(無線)通信は、水中の音波を使用した方式と低い周 波数の電磁波を使用した二つの方式しかありません。航空機から海面にレーザーを照 射して潜航中の潜水艦と通信する試み: http://itri.loyola.edu/ subsea/ fh8_2.gif などもありますが、この場合でもやっぱり水中を伝わるのは音波です。 電磁波が水中を伝わるためには、その周波数はできるだけ低い方がよいのですが、周 波数が低いと電送可能な情報は逆に少なくなってしまいます。また通信は潜水艦への 一方通行でしかなく、送信するためには地上に巨大なアンテナをたてるか、E-6Bマー キュリという特殊な航空機から長いアンテナを出して送信しなければなりません。ア メリカ海軍ではELF/VLF/LFを潜水艦との通信に使っています。ELF送信施設(周波数 76Hz )はミシガン州リパブリク(アンテナ長45km)とウィスコンシン州クラム・レ イク(アンテナ長90km)にあります。VLF送信施設は全世界に6カ所あり、LF送信施設 なら日本にも泡瀬通信施設があります: http://www.pref.okinawa.jp/ 97/ base/ over_photo/ awase-communi.html よく「象の檻」と称されているこのような地上の巨大なアンテナは、平和時はともか く有事の際の奇襲には脆弱ですので、戦略潜水艦へは航空機からの通信が常時確保さ れているものと存じます。簡単なシェーマです: http://www.psrw.com/ graphics/ fix_air_trans.gif 軍用の潜水艦通信について、公表されている情報を詳しくお知りになりたい方は、例 のあやしげな米国科学者連盟の「Submarine Shipboard Communications」: http://www.fas.org/ man/dod-101/ navy/ docs/ scmp/ part06.htm や、アメリカ海軍潜水艦隊公式機関誌98年秋号の「Voices From the Deep」: http://www.chinfo.navy.mil/ navpalib/ cno/ n87/ usw/ autumn98/ voices.htm などをご参照ください。変調方式を含めてとても詳しく書いてあります。 また水中通信のもう一つの方式:水中の音を利用しての通信も、周波数が低いほど遠 くに届きますが、逆に送ることができる情報量が限られてしまいます。実際に「しん かい6500」がどのような搬送波や変調方式をとっているのか存じませんが、市販され ているダイバー向けの水中トランシーバーは搬送周波数32.768kHzの超音波のSSBだそ うです: http://www.orange.ne.jp/ ~fuji-us/ jproduct/ junder/ jund_newpro.html 水中音響を使用しての画像通信や水中音響モデムによるデジタル通信もたくさん試み られています。日本のJAMSTECもがんばっているようですが、ロシアなどもまだまだ 進んでいるようです。遅くても良ければ、なんと3,000 kmも届くそうです: http://itri.loyola.edu/ subsea/ b_andree.htm 長々と失礼いたしました。 | ||
この話題の続きは変調へ |
[danwa:0095] Re: 水中通信(Re: 電磁波・音波) | ||||
Date:Thu, 23 Dec 1999 10:28:08 | From: 長谷川 | |||
船場の若旦那さん、談話室のみなさん、こんにちは。長谷川です。 船場の若旦那さん [danwa:0093]
確かに、船場の若旦那さん [danwa:0038]
[danwa:0093]
_______ 吸収係数α[cm-1]=8.4×10-5×√ν[Hz] とあります。つまり、電波の伝わる距離は周波数のルートに反比例しているこ とになります。しかし、仮に1Hzの電波を使ったとしても、100mあまりの距離 でe分の1に、500mあまりの距離で100分の1になってしまいます。これは大変 ですね。 |
[danwa:0100] Re: 水中通信(潜水調査船と軍用潜水艦) | |||
Date:Fri, 24 Dec 1999 02:53:19 | From: 船場の若旦那 | ||
長谷川さん、談話室のみなさん、こんばんは。船場の若旦那です。 ご承知のことと存じますが、「しんかい6500」: http://www.jamstec.go.jp/ ships/ shinkai3.html などの、有人潜水調査船と軍用の潜水艦とは全く別の乗り物です。 造船技術的にも、お互いの間には共通点ほとんどないと思います。 長谷川 wrote[danwa:0095]:
軍用の潜水艦では、隠れてさえいられればあまり深く潜る必要はありません。 (コンバージェンス・ゾーンなど、水中での音の伝搬の状態にもよります) ですので、実際の運用上、ある程度浅い深度なら電磁波でも通信可能です。 まあ「100分の1」って-20dBですから、たいした減衰でもないでしょう。 有人潜水調査船との水中通信の場合は、到達距離よりも到達時間の方が、 実際に運用する上で、もっともっと重要な問題となっているようです。 水中の音速が1,500m/sで6,500mを往復しなければなりませんので、 かなりまどろっこしい会話になっているようです。 失礼いたしました。 |
[danwa:0127] Re: 水中通信 | |
Date:Thu, 6 Jan 2000 00:27:39 | From: 浦田 |
船場の若旦那さん、みなさん、こんばんは、浦田です。 水中通信情報ありがとうございます。お話を聞いていると 水道管で通信できるだろうか・腎臓結石破壊用のパラボラ反射鏡をつけたらど れくらい指向性が得られるか・水中パルス放電による衝撃波をパラボラ面で 送ったらとか、水中メガネの一部を柔らかいゴムシートにして外をメガホンに したらとか、いろいろ楽しく想像させて頂いています。 |
[danwa:0292] Re: 水中通信(基本的な話) | |
Date:Fri, 25 Aug 2000 14:19:13 | From: 榊田 |
談話室の皆さん。こんにちは。榊田です。 一応、水中音響機器メーカーに勤めておりますので、 水中音波伝播について、基本的なお話をさせて頂きます。 海中での音響通信を考える場合、 基本的にはまず、伝播損失として、拡散を考えます。 発信された音波が3次元的に拡散すると考えますと、 TL(伝播損失)=20logR (R;距離) ですので、 1kmで約60dB損失することになります。 周波数による吸収損失も考慮しますが、10kHz程度では、数dB程度 ですので、短距離の場合とりあえず拡散損失が重要です。 レジャーダイバーの水中コミュニケーション不足による事故は、 かなりの件数で発生しており、何らかの対策が必要なのはわかって いるのですが・・・。なかなか安価に物が作れない・・・。 水中通信のもう一つの難しさは、海中の音速変化による音波の屈折です。 鉛直方向に伝送する場合ならば、さほど問題になりませんが、 水平方向に伝送する場合には、遅いほうへどんどん曲がっちゃいます。 また、その性質を逆に利用して、通常海域では1000m付近に 存在する音速極小層(SOFARチャネルといいます)を利用し、何百km 音響信号を伝送するシステムもございます。ただし、これは、かなりの 低周波ですので、データ伝送にはあんまり使えないと思います。 音響トモグラフィーなどの場合、200Hz程度のコード化した音波を 1000km程度伝播させ、その伝播路での音速変化より、物理量(温度)を 求めています。送波レベルは190dB程度となります。 これは、到達した時間を正確に求めるだけですので、音波にはデータ などは重乗しておりません。 お話の中にあるCZ(コンバージェンスゾーン)というのは、 表層付近で音波を発信した場合、やはり音速勾配により、海底に向かった 信号の一部が屈曲して海面付近に戻ってくる場所のことでして、 逆に浅深度に潜水艦がいた場合、一つ目のCZ(第一CZ)もしくは、 第2CZにソーナーを置きますと聴音が出来ると言うことになります。 CZの間では、音は聞こえませんので、シャドーゾーンと呼ばれる ことがあります。 CZは、空中でも起きる現象です。 「しんかい6500」のデータ伝送方式については、触れませんが、 「うらしま」用のデータ伝送方式(周波数、伝送速度、変調方式)は、 コマンド(上→下)は、12kHz、2.4kbps、2値FSK 画像(下→上)データは、20kHz、32kbps、16QAM(もしくは8DPSK) を考えています。 「しんかい6500」と母船とのやはり画像のほうが大変ですね。 なお、有人潜水調査船と潜水艦の造船技術がまるで違うのでは? というご意見がありましたが、似ているところも多数ありまして、 「しんかい2000」で使用された耐圧殻材質の「NS90」は 元々潜水艦用に開発された高張力鋼をより強くしたものです。 また、「しんかい6500」は三菱重工業殿の潜水艦設計部の エリートの皆さんが特別プロジェクトにて建造されました。 |
[danwa:0296] Re: 水中通信 | |
Date:Thu, 31 Aug 2000 08:59:56 | From: 浦田 |
榊田さん、みなさん、こんばんわ、浦田です。 実りの季節です。米を食べる雀との戦いがはじまっています。^^ ステレオスピーカーを田の端2箇所に離して設置して、犬等が遠くから近づい て来るような錯覚を雀に与える装置を実験しようと思っています。 サラウンド効果でしたっけ? 水中でもそんなことできますか?4スピーカーで鯨の位置を自由に動かして 魚を追いこむなんてできたら面白そうかな・・ |
[danwa:0308] Re: 水中通信について(水中モデム?) | |||
Date:Fri, 15 Sep 2000 22:38:50 | From: 船場の若旦那 | ||
榊田さま、はじめまして。メールが大変遅くなって申し訳ございません。 この談話室で、水中通信の話題で皆様を困らせた張本人の若旦那です。 At 2:19 PM +0900 00.8.25,榊田さん wrote:
http://www.spearhead.co.uk/ spearhead/ exhibitions/ main/ oi2000/ abstracts/ gre に: Benthosと米海軍、400フィートの海中からのインターネット接続実験に成功 http://www.watch.impress.co.jp/ internet/ www/ article/ 2000/ 0612/ submarin.htm との報道の紹介がありました。 これについて、どのような技術的なブレーク・スルーがあったのか、 BenthosのサイトのFAQなどをよんでみても、よくわかりませんでした: http://www.benthos.com/ frames.asp?H=/ usd/ usd_top.asp&HI=usd/ usd_products_telesonar&N=/ usd/ usd_nav.asp&M=/ usd/ insideframes2.asp%3FC=/ usd/ faq.asp%26IN=/ usd/ telesonar_default3.asp 素人が考えると、水中の音響を利用した水中通信については、搬送波の基本周波数に よって、少しばかり、変調方式を工夫したところで、遠くに通信しようとすれば、おそくなってしまい、通信のデータ容量を上げようとすると、高い周波数のために伝達距離が犠牲になりそうです。 上記のBenthos社のモデム実験を含めて、どのような特別な技術的ブレークスルーが あったのか、それとも、宣伝がうまかっただけで、とくに新技術などなかったのか、最新の水中通信における最先端の技術革新について、可能な範囲で、教えていただきたくお願い申しあげます。 また、水中通信についてわかりやすい文献など、ご教授いただけましたら幸いに存じ ております。 数年前の日本造船学会誌に特集があったらしいですが、わかりませんでした。 今後とも、何卒宜しくご指導のほどお願い申しあげます。 |
[danwa:0963] Re: 水中通信 | |
Date: Wed, 14 Apr 2004 19:07:02 | From: てつ |
はじめまして、会社員てつです。 水中通信に関する掲示板を見て、御聞きしたいことが有りメールします。 恐縮ですが以下質問に関して教えて頂けないでしょうか? 御検討願います。 Q1 海中での吸収係数は 吸収係数A(m-1)=8.4×10e-3×√V(Hz)となるため、100Hzでは減衰距離Ae-1(m)は約10mなる。 これは(100Hzでは約10mしか電波は届かない)という意味なのでしょうか? Q2 そうした場合、1.2GHzの送信機を海中からは発した場合、約0.006mまでしか 電波は届かないということになるのでしょうか? Q3 また、グラフから読み取ると上記公式は10e+2 〜10e+8 Hzの範囲に しか当てはまらないのでしょうか? Q4 (仮に1Hzの電波を使ったとしても、100mあまりの距離 でe分の1に、500mあま りの 距離で100分の1になってしまいます。これは大変 ですね。)の意味が わかりません。 上記公式に当てはめたと思うのですが、どのような計算になるのでしょうか? Q5 水中での音波の速度は固有インピーダンス(Ns/m3)/密度(kg/m3)で1500m/sとわかるのですが、 音波には吸収係数というものは存在しないのでしょうか? 以上 |
[danwa:0965] Re: 水中通信 | |
Date: Sat, 17 Apr 2004 18:48:25 | From: 長谷川 |
てつさん、談話室のみなさん、こんにちは。長谷川です。 久しぶりの水中通信の話題ですね。 てつさん [danwa:0963] 水中通信 > Q1 > 海中での吸収係数は > 吸収係数A(m-1)=8.4×10e-3×√V(Hz)となるため、100Hzでは減衰距離Ae-1(m)は > 約10mなる。 > これは(100Hzでは約10mしか電波は届かない)という意味なのでしょうか? 確かに100Hzでは、吸収計数は、A=0.084[m-1] になるということになります。 でもこれは、1/A=11.9[m] 進むと強度が 1/e=0.36… になるということ であって、11.9[m] 以上進めないというわけではありません。 例えば、5/A≒60[m] で、約1/150の強度があります。 だんだんと弱くなっていくので、何mまでしか届かないという言い方はできま せんが、距離が倍になると強度は2乗、10倍になると強度は10乗になりますか ら、100mくらいならまだ受信できるかもしれませんが、500mとかは無理でしょ うね。 > Q2 > そうした場合、1.2GHzの送信機を海中からは発した場合、約0.006mまでしか > 電波は届かないということになるのでしょうか? 吸収係数A(m-1)=8.4×10e-3×√V(Hz) というのが低振動数での近似式です ので、どのくらいの振動数まで有効なのかはわかりませんが、吸収計数が大き いのは確かです。 浦田さんの話に |携帯電話(PHS 1.3ギガヘルツでしたっけ)を密閉弁当箱に入れてたらいに沈 |めたら、5ミリ沈めるだけで、圏外になってしまいました。 というのがありましたね。 > Q3 > また、グラフから読み取ると上記公式は10e+2 〜10e+8 Hzの範囲に > しか当てはまらないのでしょうか? ジャクソンの『電磁気学』を見ても、どのくらいの範囲でこの式が有効なのか 書いてありませんが、グラフに書いてある線が108Hzあたりで途切れている のを見ると、高周波側はこのあたりまでと考えるのが妥当ではないでしょうか。 低周波側は、グラフそのものが切れているので何とも言えませんね。 (↓で、私は1Hzにあてはめてしまっていますが…(^^;) > Q4 > (仮に1Hzの電波を使ったとしても、100mあまりの距離 でe分の1に、500mあま りの > 距離で100分の1になってしまいます。これは大変 ですね。)の意味が わかりません。 > 上記公式に当てはめたと思うのですが、どのような計算になるのでしょうか? この式が1Hzくらいまであてはめられるのかどうかわかりませんが、仮にあ てはめられたとして、Q1の計算と距離がちょうど1桁違う結果になりますね。 吸収計数はA=0.0084[m-1]で、強度はe^(Ax)に比例します。 ここで、eは自然対数の底でe=2.71828…、xはその媒質(ここでは海水)を 進む距離です。 で、もう少し細かく書くと、1/A=119[m] 進むと強度が 1/e=0.36…、 5/A≒600[m]で強度が約1/150になるという計算です。 こんなに吸収で弱くなったら、長距離間で通信するのはたいへんじゃないかな と思ったのです。しかも、よく考えるとこれは吸収される分だけで、実際には 電波が広がっていく分、さらに弱くなりますね。 ただ、この後の船場の若旦那さんのコメントにあるように、 |まあ「100分の1」って-20dBですから、たいした減衰でもないでしょう。 ということです。 > Q5 > 水中での音波の速度は固有インピーダンス(Ns/m3)/密度(kg/m3)で1500m/sとわかるのですが、 > 音波には吸収係数というものは存在しないのでしょうか? ちょっとすぐにはわからないです。誰かご存じの方いませんか? |
[danwa:0967] Re: 水中通信 | |
Date: Thu, 22 Apr 2004 02:06:32 | From: てつ |
こんばんわ、てつです。 >長谷川様 [danwa:0965] 水中通信 海中での吸収係数等の計算、やっと理解することが出来ました。 ありがとうございます。 話は変わりますが、 自分のHPに吸収係数A(m-1)=8.4×10e-3×√V(Hz)の公式を載せたいのですが、 その際参考文献として「ジャンクソン電磁気学(上)、(株)吉岡書店 2002年刊」と 明記すればよろしいでしょうか。 御存知の方、恐縮ですが教えて頂けないでしょうか? |
[danwa:0968] Re: 水中通信 | |
Date: Thu, 22 Apr 2004 09:54:50 | From: 長谷川 |
てつさん、談話室のみなさん、こんにちは。長谷川です。 てつさん [danwa:0967] Re 水中通信 > 海中での吸収係数等の計算、やっと理解することが出来ました。 > ありがとうございます。 ちょっとややこしい書き方をしましたが、伝わったようでよかったです。 > 話は変わりますが、 > 自分のHPに吸収係数A(m-1)=8.4×10e-3×√V(Hz)の公式を載せたいのですが、 > その際参考文献として「ジャンクソン電磁気学(上)、(株)吉岡書店 2002年刊」 > と > 明記すればよろしいでしょうか。 私が参考にしているのは正にこの本ですので、これでいいかと思います。 著作権的にも、引用の範囲だと思われるので、大丈夫でしょう。 ただ、「公式」という表現が気になります。 電磁波の吸収については、いろいろな要因が重なり合っていると思いますが、 低周波数領域では電気伝導度が一番効いているということで用いている近似式 と考えた方がいいと思います。 |
・・・さて、この先 話はどうなるのか?お楽しみに!・・・ | |
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