間食で成長した巨大ブラックホール

クェーサー:おやつが無いと生きていけない・・・

 クェーサーは銀河の中心にひそむ巨大ブラックホールです。 こうした巨大ブラックホールは銀河同士の衝突によって成長する、と考えられてきました。
クェーサーの母銀河([NASA, ESA, and K. Schawinski (Yale University)])
 ところが、イェール大学のシャウィンスキ博士らが遠方のクェーサーの母銀河を詳細に調べたところ、30個中26個には衝突の痕跡がないことが分かりました。

 調べたクェーサーは、宇宙誕生後17−57億年ころの、もっともクェーサーが多く、活動が活発だったころのものです。

 たしかに、非常に明るい、超ど級のクェーサーは銀河の衝突によって大きく成長したらしいのですが、ごく普通のクェーサーは、ドカ食いではなく、間食(おやつ)で成長したようです。
 天の川銀河中心の巨大ブラックホールでも、小さなガスのかたまりを吸い込む様子が観測されています。

 どうやら大昔の巨大ブラックホールも、手の届く範囲に豊富におやつがあり、パクパク間食ばかりしていたようです。

※原文は英語ですがハッブル宇宙望遠鏡HSTのプレスリリースをご覧ください。

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2012.6.23記(石坂

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