最も遠いクェーサーが新たなナゾも照らし出す

クェーサーの最遠記録が更新された!

 前回、128億年前(赤方偏移6.5)の銀河に、巨大ブラックホールが潜んでいることを紹介しましたが、 今回、ヨーロッパ南天文台ESO等の研究チームが特大望遠鏡VLTを使って、129億年前(赤方偏移7.1=距離に換算して290億光年)のクェーサーを発見しました。
 クェーサーとしては、これまでの最遠記録です! 最遠のクェーサー:中央の赤い点([ESO/UKIDSS/SDSS])

 さらに、くわしい観測から、今回発見されたクェーサー(ULAS J1120+0641)の質量が、太陽の20億倍(!)もあることがわかりました。
 
 非常に明るいクェーサーですから、その強烈な光で周りを照らし出し、ごく遠方(宇宙初期)の様子を教えてくれると期待される一方で、 宇宙初期に太陽の20億個分もの質量を持った巨大ブラックホール(クェーサーの本体)があることは、これまでの巨大ブラックホール形成理論では説明が難しく、新たなナゾも生み出しています。

 原文は英語ですがESOのプレスリリースをご覧ください。

2011.7.1記(石坂

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