赤方偏移7.51の銀河

とーっても遠い銀河が発見された

 ハッブル宇宙望遠鏡HSTと大型地上望遠鏡ケックの共同観測により、131億年前(宇宙が誕生してからたった7億年!)の銀河が発見されました。 距離に換算すると約292億光年!、ものすごく遠いところにある銀河です。

 銀河がいつ誕生し、どのように進化してきたのかは、天文学における重要な研究テーマです。 天文学者たちは、できるだけ遠い銀河、つまりできるだけ宇宙初期の銀河を観測しようと努力を重ねていますが、非常に難しいのが実情です(参考:「最遠の銀河、記録更新」)。

 今回、研究者たちはHSTで"遠方にあるっぽい銀河"をピックアップし、それらの候補銀河からの光を地上のケック望遠鏡で分光し、エネルギー状態の高い水素が放つライマンα線(波長121.6nm)が含まれていないかどうか調べました。 すると、調べた43個の候補銀河のうち1個Z8_GMT_5296でライマンα線が観測できたそうです。 Z8_GMT_5296のライマンα線は宇宙膨張により波長が伸び、赤方偏移は7.51でした。

 ライマンα線の強さは星形成効率の指標でもあります。 この銀河はなんと天の川銀河の150倍、1年に太陽150個分、星を作っていました。これはとても激しい星形成です(「成熟した遠方の銀河」)。
 今後、さらに(難しい)観測をすることにより、銀河の誕生(星形成のスタート)がいつだったのか、探っていくことになります。

★原文は英語ですがテキサス大学のプレスリリースをご覧ください。

2013.10.25記(石坂

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