ダークエネルギー説以外の否定

宇宙が加速膨張をしている理由とは?

 現在の宇宙は加速膨張をしていることが、さまざまな観測から示唆されていますが、 その理由として、宇宙が正体不明のダークエネルギーで満たされている、という考え方と、 天の川銀河を中心として80億光年にわたる低密度領域(ボイド)が存在する、という考え方があります。

 巨大なボイドがあれば、宇宙膨張のブレーキとなる重力が比較的弱いので、内側では空間の膨張率が大きくなるからです。
 ただし、この巨大ボイド仮説では、‥靴寮邏箍呂巨大ボイドの中心にあること(地球中心説の復活)、 ハッブル数が60−65/s/Mpc程度であること、が要求されます。

 ダークエネルギー説と巨大ボイド説の正否を決めるためには、80億光年程度の遠距離まで、正確な距離を測定する必要があります。
 銀河NGC5584([ NASA, ESA, A. Riess (STScI/JHU), L. Macri (Texas A&M University), and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)])
 距離を測る方法として、セファイド型変光星の真の明るさと変光周期の関係を使うものがよく用いられます。
 この方法は正確ですが、数千万光年までしか使えません。

 もう一つ、Ia型超新星の最大光度が普遍的であると仮定する方法があります。 Ia型超新星は明るいので、数十億光年先のものでも観測できますが、個性があり、測定された距離には誤差が多いとされてきました。

 今回、ハッブル宇宙望遠鏡HSTは、おとめ座銀河団にあるNGC5584でセファイド型変光星と、Ia型超新星の両方を観測し、Ia型超新星による距離測定法の誤差を修正しました。

 これにより、ハッブル数が誤差3%程度で決定され、73.8km/s/Mpc となりました。
 巨大ボイド仮説が否定されたのです。

 原文は英語ですがHSTのプレスリリースをご覧ください。

2011.3.30記(石坂
※参考・・・宇宙論について知りたい方は「宇宙がわかる」(技術評論社)もお読みください。

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