ホシ ヲ メグル センイチ ワ
★ 星は日常感覚からすると、無限といっていいほど遠くにありますが、本当に無限であれば見えなくなるので、有限の距離があります。では、その星までの距離を測るにはどうすればいいのでしょうか? これにはいろいろな方法がありますが、一番直接的なのは、人間が両目で距離を推定するのと同じ「視差」を使う方法です。すなわち、2カ所から星を見て、2カ所の間の距離と見える方向の違いから距離を測定する方法です。星の距離はうんと遠いので、2カ所には、人類が達成できる最も遠距離である、地球が太陽の向こうとコッチになる。夏と冬、秋と春などの場所が使われました。2カ所間の距離は3億kmです。この地球の半年あいての角度の差を特に「年周視差」といいます。 恒星の中で一番近いのがプロキシマという星ですが(プロキシマは最も近いという意味)プロキシマ(Proxima)の年周視差は、SIMBAD http://simbad.u-strasbg.fr/simbad/ という天文データベースで調べると、 768.0665ミリ秒角とあります。 5000分の1度であり、ラジアン単位だとざっと30万分の1ラジアンです。実は年周視差は2点間の距離の半分に換算することになっている(太陽〜地球間の距離)ます。 小さい角度の場合、 ラジアンであらわした角度×対象までの距離=測定2点間の距離ですので 対象までの距離は=測定2点間の距離/ラジアンであらわした角度になります。 つまりプロキシマまでの距離は 1.5億÷1/30万 〜45兆kmとなります。厳密に計算すると40兆kmであり、1光年は9.46kmなので、4.2光年あまりがプロキシマまでの距離となります。 なお、プロキシマはケンタウルス座という南天の星座の星で、大阪からは見えません。北緯28度以南ならばわかりますが、奄美大島より南で見られます。ただし、明るさは11等と、肉眼はもとより見えず、小型望遠鏡でもとらえるのが困難な明るさです。 |
||
1〜25話 26〜50話 51〜75話 76〜100話 101〜125話
126〜150話 |