番組制作

当館ではプラネタリウム番組の制作も行っており、これまで様々な内容を取り上げてきました。

ここでは、これまでに私が携わったプラネタリウム番組をご紹介します。


 
宇宙美術館2022④
2022年9月24日 更新

 新しいプロジェクターの明るさ、コントラスト、解像度の高さを存分に活かして、美しい天体映像をたっぷりお楽しみいただくプラネタリウム番組「宇宙美術館2022」。その中で紹介している天体についてくわしく解説する第4回目、今回で最終回です。

 ※「宇宙美術館2022」は、2022年8月30日(火)~11月30日(日)、絶賛投影中です!

2.天体紹介

2-6. 銀河

 さあ、いよいよ銀河の世界へご案内しましょう。球状星団よりももっと多くの星々が集まる星の大集団、それが銀河です。宇宙には銀河が無数に存在することが分かっており、その一つ一つに数百億、数千億もの星が集まっています。


 地球をふくむ太陽系は、天の川銀河という大きな銀河の中にあります。天の川銀河の大きさは直径約10万光年、約2,000億個もの星が集まっています。地球も太陽系も、夜空に輝く星々も、これまで紹介してきた星雲・星団も、その全てが天の川銀河の中にあるのです。

 ただし地球に住む私たちには、自分たちのいる天の川銀河がどのようなすがたをしているか、直接観測することはできません。ですが20世紀前半、夜空の星々や天の川の観測など様々な方法で、天の川銀河がどのようなすがたをしているのかがだんだん分かってきました。そして、天の川銀河の外側に同じような星の大集団、銀河が無数に存在することも分かってきたのです。今では宇宙には無数の銀河があり、天の川銀河は渦巻構造を持つ銀河の一つであることが分かっています。


 銀河は近いものでも十数万光年離れており、非常に遠くにあるため、そのほとんどが肉眼で見ることはできません。ですが北半球で唯一、肉眼で見られる銀河があります。アンドロメダ銀河M31です。

 アンドロメダ銀河は地球から約230万光年離れていますが、広大な宇宙においては天の川銀河のおとなりの銀河といえます。そして、実は天の川銀河とアンドロメダ銀河は刻一刻と近づきあっていて、約40億年後に衝突することが分かっています。その後何度か衝突を繰り返し、約60億年後には合体して一つの巨大な楕円銀河になると考えられています。 宇宙には、いままさに銀河同士が衝突しているようすも数多く見つかっています。今回の番組では、こうした衝突銀河もいくつか紹介しています。

アンドロメダ銀河

画像7. アンドロメダ銀河

©÷ 2002 R. Gendler, Photo by R. Gendler

( https://esahubble.org/images/heic0512d/ より )  


3.さいごに

 今回のプラネタリウム番組「宇宙美術館2022」では、個性あふれる天体たちをじっくりご覧いただいて、宇宙の芸術に浸っていただくために、科学的な解説は極力控えめにしています(いるつもりです)。その分、詳しい解説をこちらにまとめました。すでに番組をご覧になった方には、もう一度じっくり振り返っていただけたら、そして、まだご覧になっていない方には、この解説を読んだ上でより深くお楽しみいただけたら幸いです。