ホシ ヲ メグル センイチ ワ
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★ たとえば「宇宙の年齢は?」というと、多くの人は138億歳という答えに満足します。しかしながら、数十年前までは100〜200億歳くらいといわれていました。一般には「なんかあいまいだな」「わかってないってこと?」と言いたくなる表現です。 ですが、多くの科学研究ではこのように「少なくとも」これ以上、これ以下、これは考えられないという制限を設けていくのが成果となります。 たとえば、宇宙の中にある地球が46億歳ということが分かれば、宇宙の年齢は「少なくとも」地球よりは大きいということになるわけで、このような形で「少なくとも」を突き詰めていくのがよくある科学の進歩です。 結果をパチッと出すのが科学と思っている人にとっては、歯がゆいわけですが、これは科学研究でとても大切なことなのです。 ★ 1995年、スイスのマイヨールとケローらは、ペガスス座51番星の惑星を発見しました。51番星の周期的な振動を測定した結果でした。これが太陽系の外の太陽のような恒星をめぐる惑星発見の第一号で、後にノーベル物理学賞を受賞することになります。 一方、太陽系の惑星は、いつ、だれが発見したのでしょうか? もちろん、金星や木星などは明るく非常によく見えるのですから、誰もが気が付くわけです。問題は、それが「惑星」であるかどうかの発見です。 惑星は、恒星と違って星座の中を動いていく星として認識されました。それはほんのわずかの観察で容易に気が付くものです。典型的なのは明るい恒星のそばにある時で位置関係からすぐにこれは違うということはわかります。 したがって、惑星は少し気を付けて空を見ていた人はすぐに気が付くわけで、誰がいつというのはわかりません。4000年以上前に栄えた古代メソポタミア文明では、金星を神として祀っていましたが、これは明らかに金星が特別なものと知っていたためです。つまりは何千年も前から惑星は認識されていたということになります。 ★ オールトの雲は、太陽からざっと半径1光年離れたところに、太陽を包むうすい球殻のように彗星がちらばっている領域です。太陽系の果てといえます。ただ、直接観測した人はいません。 オールトの雲から太陽に「落ちてきた」彗星の軌道を逆算して、非常に遠方から、しかし他の恒星系からではない彗星があることから、オランダの天文学者、ヤン・オールト(1900〜1992年)が提唱されたものです。 現在では、天文シミュレーターには必ず組み込まれるほど、直接観測されていないのにあると、みなが信じているオールトの雲。そうした「見えないのに、ある」という存在は、少し前までのブラックホールや、現在も探索が続いているダークマターのように天文学の世界では数多くありますが、隣の恒星より近いのに観測できないオールトの雲が直接とらえられたらと思うとロマンがあります。 また、もしかしたら、他の恒星のまわりの「オールトの雲」が先に発見されるかもしれませんし、さらに、恒星によってあるなしや規模の違いもあるでしょう。 ★ 私たちの太陽は、圧倒的な輝きで空を照らします。もちろん太陽が強烈な恒星だからなのですが、それよりなにより圧倒的に近くにある恒星だからです。 では、他の恒星から見たら、太陽はどれほどに見えるのでしょうか。簡単に表にしてみました。シリウスの距離からでも2等星。ベガ(織姫星)からだと4等星で都会では見えず、レグルスの距離からだと肉眼で見えなくなることがわかります。
★ 近い恒星。これまでの2話で紹介したのは、太陽、ケンタウルス座アルファ星系(大阪では見えない)、バーナード星(暗くて肉眼では見えない)、という順番でした。 では、大阪で見られかつ肉眼で見える一番近い恒星は? というと、それは、オリオン座の近くにあるおおいぬ座のシリウスです。距離は8.6光年。明るさは−1.5等級で、肉眼で見える最も明るい恒星としても有名です。 シリウスは非常に目立つので、古くからなかば神様のようにあがめられていました。発見した人は、まあ星が見えるほどに目が進化した時点、あるいは動物なのでしょうね。 ちなみに、シリウスの次に近い、大阪で肉眼で見える星は、こいぬ座のプロキオンで11.46光年。シリウスとオリオン座のベテルギウスとともに「冬の大三角」を構成する星ですね。 なお、大阪で肉眼でという言い方には、大阪では明るめの3等星までは見えるけど…という気持ちが入っていまして、3.74等級のエリダヌス座イプシロン星は、10.5光年になります。また、5.2等級と6.0等級の連星である、はくちょう座61番星は、11.40光年になります。はくちょう座61番星はバーナード星と同じく運動速度が大きく、近いことが予想されており、ベッセルによってはじめて直接距離が測定された恒星でもあります。 ★ 太陽を除く「お星さま」として見られる恒星で一番近いのは、プロキシマをふくむケンタウルス座アルファ星系で、ふくまれるリギル・ケンタウルスとトリマンは1等星だけど、大阪では見られない。という話をいたしました。 では、大阪で見られる一番近い恒星は何かというと、それは、夏の星座へびつかい座にある、バーナード星です。距離は5.96光年です。ただ肉眼では見えない9.5等級(レンズが6㎝程度の小型望遠鏡で見えます)、発見されたのは1916年。1894年の写真に写っていたのをアメリカの天文学者、エドワード・エマーソン・バーナード(通称E.E.Barnard)※で、バーナード星の名前は、発見者の名前にちなみます。 バーナード星は、近いことと、もともと秒速180kmという高速でで運動しているため、天空を移動する様子がわかり。バーナードは1894年と1916年の写真を見比べて、そのことに気が付いたのです。そして太陽系に接近しており1万年後にはプロキシマより近い3.8光年くらいまで近寄るとされています。今の3分の2くらいの距離で、明るさは2倍にはなりますが、それでも8等級と肉眼では見られません。ということで、大阪から観測できる最も近い恒星なのですが、空でわかるわけではなく、次に続きます。 ※バーナードは、もともとアマチュア天文家でしたが、周囲の援助で30才で大学卒業後、リック天文台に勤め、のちにシカゴ大の教授になり、オリオン座の「バーナードループ」の発見や、バーナードの暗黒星雲カタログなどでも知られる高名な天文学者です。 ★ 一番近い恒星は、太陽ですが、まあいかにも特別で別格です。 では、一番近い恒星は何かというと、プロキシマ(Proxima)という星です。プロキシマというのは「一番近い」といラテン語から来ています。距離は4.24光年。明るさは11等級で、望遠鏡でないと見ることはできず、かつこれくらいの明るさの星は何十万個とあります。発見されたのは1915年です。ちなみに大阪からは望遠鏡でも見えません。南十字星の近くにあり、沖縄でかろうじて観測可能ですが、暗いので腕に覚えがないと難しいでしょう。 なおプロキシマは別名ケンタウルス座アルファC星で、A星とB星のまわりをまわる伴星です。A星とB星は地球〜太陽の距離の10〜40倍程度という宇宙単位では近距離をまわりあっていて、私たちから見ると一つに見えます。二つとも1等星でよく見えるのですが、これを2個とカウントするか見た目は一つなので1個とカウントするかは流派が分かれます。私は見かけで言っているんだから、一つということでいいんじゃない? という考えです。名前はリギル・ケンタウルスとトリマンですが、まあまとめて、ケンタウルス座アルファ星。または、リギル・ケンタウルスというの言い方が一般的です。こちらも、南十字星のそばにあり、沖縄より南でないと・・・、では大阪では? 長くなってきたので続きます。 ★ 恒星は、その中心で核融合反応を起こし、その熱で光り輝く星です。英語では fixed star といいますが、単にstarでも恒星を指します。 この恒星をどう紹介するか? これ、ずっと悩んでいます。決めてがない話で恐縮ですが、いくつか言い方を並べてみましょう。
★ 月は、およそ一か月で地球の周りを一周します。公転といいますね。平均すると、公転周期は27.6日です(星座を基準として)。これだけかけて地球を360度回るわけですから、1日あたり13度になります。1時間あたりだと0.54度ですが、月の見かけの直径は0.5度ほどなので、つまり、天空で月は、1時間でその直径ぶん移動するということになります。 一方、実際の空間速度では、平均速度は毎秒1.022kmです。これは、旅客機の3倍ほど、新幹線のぞみの10倍ほどです。そう考えると、かなり速いペースで地球を周回していることがわかります。 ただ、地球はというと太陽を365.2421日で公転し、1日あたり1度ですが、太陽までの距離が月までの400倍もあるので、実際の空間速度では秒速29.79kmになります。旅客機の100倍、新幹線の300倍もの速度で、こうなると感覚ではわかりませんね。 ★ プラネタリウムではしばしば星座と紐付くギリシア神話の紹介をします。秋〜冬の入り口にかけては、アンドロメダ姫の物語が登場します。 話では、母カシオペアが神の娘よりアンドロメダが美しいと言ったため、神の怒りを買い、アンドロメダは神の家来であるクジラの生け贄に差し出されます。 そのさいに、父ケフェウスは娘アンドロメダを、港町ヨッパの浜の沖合にある岩にくくりつけるのですが、その伝説のアンドロメダの岩とされるものが、ヨッパに実在します。ヨッパは、ヤッファと表現され、イスラエルの事実上の首都といわれ(各国が大使館をおいている)、経済・文化の中心地テル・アビブ市です。 現在、アンドロメダの岩は、看板案内なども整理され、ちょっとした観光名所にもなっているようです。 ★ 冬の夜空に輝く「すばる」は、大都会の星が見えない空でなければ、とても目につく天体です。下の写真は「すばる」を含む空を適当に撮影したものですが、なにもいわなくても、あ、これのことかなと気がつきます。(真ん中やや右の雲の上です) ![]() そんな「すばる」ですが、大都会の近くではギリギリ見えるかくらいになります。そんなときは、オリオン座が見えれば、そこから探す方法もあります。下の図の通りですので、挑戦してみてください。 ![]() ★ 冬の夜空に輝く「すばる」は、大都会の星が見えない空でなければ、とても目につく天体です。そのため、世界各地で様々な固有名で呼ばれています。日本では「すばる」ですが、欧州(ギリシャ神話)ではプレイアデス、ハワイではマカリ、台湾では姑娘(クーニャン)です。科学的な要請がない限り、天体の名前は「めだっているもの」に限られるため、注目度がわかるというものですね。実は日本でも、沖縄では「むりかぶし(群れている星)」とか地方詳細は不明ですが「羽子板星」などの呼び方もあるくらいです。 こうした目立った天体が、研究の対象になるのは自然のことです。そして、17世紀の初めに望遠鏡が発明されると、それをいち早く天体観測に応用したイタリアのガリレオは、さっそく「すばる」を天体望遠鏡で観察し、その様子のスケッチを出版して発表しています(1610年下図)。肉眼でみると「六連星」「セブンシスターズ」というわけですが、明らかにたくさん星がみえています。このあとも、「すばる」は様々な天文研究の対象となっていきます。 ![]() By History of Science Collections, University of Oklahoma Libraries - , CC BY 1.0, ★ 新星とよく似た言葉に、超新星があります。 新星は白色矮星の「表面」で起こる爆発現象ですが、超新星は「恒星全体」が吹き飛んでしまう現象です。 その原因としては、活発な核融合反応によって大きく膨れ上がった恒星が、燃料切れで核融合が止まると急激につぶれ、その反動で恒星全体が吹き飛ぶというものです。また、白色矮星に物質が落ちるさいに、新星爆発ですまずに、白色矮星の質量バランスがくずれて全体爆発するものです。 いずれにせよ、新星とはケタ違いの大爆発になるのが、超新星です。 超新星は、天の川銀河(銀河系)のような大型の銀河で100年に1度程度の割合でおこりますが、私たちの天の川銀河では前回超新星が見えたのは1604年のことです。いっぽう、あまたある他の銀河の超新星はしばしば発見されています。1987年には大マゼラン雲で超新星が見えました。そして、その前に超新星が見られたのは1885年にアンドロメダ銀河に発生した超新星です。アンドロメダSという名前で知られています。 アンドロメダ銀河はいまでこそ、250万光年も離れたところにあることがわかっていますが、この当時は天の川銀河の中にあるのか外なのかわかっていませんでした。 ★ 古くから、例えば日本では、平安時代には「客星」という表現で、夜空に突然星が見えるようになる現象の記録があります。中国では紀元前1500年に遡る記録もあるそうです。これを新星(NOVA)と言っています。 こうした新星の正体は、長い間謎でした。望遠鏡や写真で非常に暗い星を調べられるようになると、新星は恒星が急激に明るくなり、また暗くなる、恒星の爆発現象であることが知られるようになってきました。問題は、なぜそんな爆発がおこるかです。 その謎を解くカギとなったのが、ヘルクレス座DQ星です。1934年に織姫星ベガとりゅう座のエルタミンの近くにあらわれた新星で、最大で1.4等級(1.3の記載もあり)と、1等星になった新星でした。この新星は暗くなっていく様子が観測され、現在は14.2等〜15.9等の間で明るさが変化する変光星です。 新星から20年後の1954年にウォーカーはこれが食変光星であることに気がつきました。その周期は0.2日ほどであり、極めて接近して回り合う近接連星であることがわかりました。さらに、過去のデータを調べていくと、その周期が新星になる前と、後で、36秒間伸びたことが分かりました。これは、それだけの質量、太陽の質量の3000分の1程度が吹き飛ばされたことを示します。つまり、片方の星からもう片方の星に物質がが失われたことを示します。 ヘルクレス座DQ星は、紫外線を強く出すが暗い太陽くらいの重さの星(恒星が死んだあとに余熱で光る白色矮星)と、赤くて太陽の6割くらいの星がまわりあっていて、赤い星から紫外線の星へ物質が流れ込み、その物質がたまると紫外線の星の表面で核融合反応がおき、物質を吹き飛ばしている。それがヘルクレス座DQ星の新星の正体であるとされました。 その後、1960年代にはシミュレーションでそのようなことが起こることがわかり、現在ではほぼ全ての新星がこのような物質の移動と移動先での核融合反応のセットで起こることが分かっています。 ヘルクレス座DQ星は、専門家以外にはあまり知られていませんが、劇的な宇宙の出来事の正体を教えてくれた星なのです。 ★ スペクトル。何か名前を聞いたことがあるけど、いまいちよくわからない。天文用語(※)の代表格です。 スペクトル型は、天文分野の場合、スペクトルメーター:分光器(計)を使って調べます。分光? 天体の光をプリズムなどを使って虹色に分けて調べることです。虹は雨粒が作る天然の分光器ということになります。分光器でわけられた虹のパターンをスペクトルといいます。 スペクトルという言葉そのものは、像という意味のフランス語(英語ではスペクトラム)です。あるもの(例えば光)の特徴を現すものくらいの意味ですかね(自信なし)。 さて、分光器で恒星の光をわけるとどうなるかというと、下の図のようになります。セッキという19世紀の天体観測の達人によるものですが。多数の暗い線(暗線:光が弱い部分)があり、そのパターンが恒星によって違うことがわかります。 恒星は熱く発光するガスの塊です。熱くて光るものは、あらゆる色の光を出す(黒体放射)ので、光をわけると単純には連続的に色が現れるはずです。が、暗線がある。その部分の色の光が吸われてしまっているのですね。 この光が吸われている吸収スペクトルの原因は、発光している恒星と、私たちの間にある物質です。物質がナトリウム原子のガスならなら黄色っぽいところを、水素ガスならば緑と赤っぽいところをピンポイントに吸収します。吸収は、水素などの原子の周りをまわる電子がするのですが、まわるポジションが決まっているため、そのエネルギーに相当するところがピンポイントに吸収され、暗線:吸収スペクトルとして現れるわけです。 逆にいえば、スペクトルを調べれば、恒星の大気(全部ガスだけど発光しているところより上空の部分)の状態がわかるというわけです。かんたんには大気にどんな物質があるかがわかります。さらに、恒星によってパターン(スペクトル型)が違うことが下の図でもうかがえます。 1868年には、太陽のスペクトルを調べることで、未知の物質が発見されました。これは太陽(ヘリオス)の元素ということでヘリウムという名前が付けられましたが、後に地球上にもあることがわかっています。 スペクトルは非常に色々なことがわかる。天体観測の強力な手段なのです。 ![]() ※物理、化学、工学など理系では非常に広く使われます。経済でも使われるようです。 ★ 等級については、写真の登場ととほぼ同時代のイギリスの天文学者ノーマン・ポグソンが、これを精密に定義して、1.0等級は6.0等級の100倍明るいとしました。11.0等級は6.0等級の100倍暗くなります。先ほどの話だとレンズの直径7cmの望遠鏡を使うと、人間は11等級の星まで見られるということになります。 また、写真はもともと人間の目より、青っぽい光に敏感で、赤っぽい光に鈍感な性質を持っていました(今は、様々な開発によりそうではなくなっています)。 そのため、青い星を人間が見るより明るく、赤い星は逆に暗く写してしまいます。 赤い1等星は、写真で見ると青い2等星より暗く写ってしまうことがあったのです。 そうなると、どういう特徴をもったセンサー(人間の目も、写真もセンサーといえます)を使うかによって、等級は変わることになります。 初期には「実視等級」「写真等級」という言い方がされましたが。 その後、センサーとフィルターを組み合わせた「システム」ごとにV等級やR等級といった定義が生まれるようになります。 これは、目で見えない赤外線まで拡張されています。いうまでもなく、赤外線センサーの登場という技術革新とセットになっています。 なお、これが電波やX線などだと、あまりに人間の感じ方と違うのと、データの取り方が違うために、明るさの尺度である等級ではなく、エネルギーの強さを単位が普通になりました。 電波だとジャンスキー(Jy)とか、X線だとeV(エレクトロンボルト)といった単位が使われています。なお、これらは、エネルギーが大きいほど数値が大きいほどいう、ごく自然な尺度となっています。 その点は、マイナスのほうが明るいという等級とはちがいます。 他の分野から天文学の関係の研究に分野をひろげるひとたちは、 この天文学の“非常識”に、最初、ハァ!? となるのはお約束です。 1等星、という言葉は、古代から大きく変化、拡張して現代に至り、天文学者の測定の指標として受け継がれて現在に至っています。 ★ 星の明るさを6段階、1等星、2等星とに現す方法は、長らく使われ、いまでも通用します。 ただ、その後、革新的な進歩があり、この1等星という表現は変化します。 まず、17世紀の望遠鏡の発明です。 これにより、イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイは 6等星より暗い星をたくさん発見しました。つまり、7等星、8等星・・・があるということになります。 実際、望遠鏡や双眼鏡を使うと、星のかすかな光を集められるため、 より暗い星がみられるのです。 光を集める力(集光力)は、レンズの大きさにより変化します。 人間の瞳は最大で直径7㎜のレンズです。これが10倍の直径7cmのレンズを持つ望遠鏡だと、集光力は、面積が100倍なので100倍になります。星の明るさの分布が均等ならば、100倍多くの星が見られることになります。 また、19世紀に写真が発明されると、 精密に星の明るさが比較、測定できるようになりました。 遠く離れて比べにくい星同士の明るさの違いも精密に測定できます。 そういう状況ですと、1等星、2等星という区分けでは不十分で1.2とか3.7とか、さらには0.7とか−1.5といった数値も使うようになり、一等賞二等賞みたいな言い方はおかしいので、「等級」という表現を使うようになります。 等級は、英語ではマグニチュード(magnitude)。地震の規模を現すマグニチュードと全く同じ言葉です。MagとかMと省略されることもよくあります。 ★ 星の明るさは、等級で現します。 明るい星は1等星。暗くなるについて、2等星、3等星・・・と数字が大きくなります。 最も明るい20個ほどの星が、1等星で、目で見えるギリギリの明るさの星が、6等星です。 この6段階の区分けは、2000年以上前に、古代ギリシアの天文学者ヒッパルコス(紀元前190年ごろ - 紀元前120年)が作ったと考えられています。 「考えられている」というのは、記録が残っていないからで、その後の別の人の本に「ヒッパルコスによると」というのが頻出するため、そう考えられているのです。 いずれにせよ、長い歴史があることは間違いありません。 ★ 地球と太陽の間の距離はおよそ1.5億km、正確には1億4959万7870.7kmです。太陽の直径が140万km、地球が太陽を楕円軌道で回っているので年間で300万kmくらい変動がありますから、これは平均値です。 一方で、光のスピードすなわち光速は秒速およそ30万km。これは定義された定数で厳密には2.99792458×10^8m・s-1 (国立天文台編「理科年表2024」天1)であり、1983年以降は光速から1mが求められるようになっています。 この30万kmは、地球の円周4万kmの7.5倍にあたるので、光はよく「1秒間に地球を七回り半まわる」と表現されます。ものすごい速さですが、それでも0.1秒なら地球1周できず、地球の裏側のブラジルと電話すると、わずかな遅延を感じることになります(実際は、光ファイバーの経路などの問題でさらに遅れる)。 さらに、平均38万km彼方の月だと、1秒以上ですから、月面探査をする宇宙船とのやりとりは「あ、そこ危ないからよけろ」とかいっても、間に合わないことがおこります。月よりさらにはなれた小惑星探査や火星探査などでは、人間の指示では間に合わないのは明白なので、着陸などの寸刻をあらそうミッションでは、自律的に宇宙船が機能しなければいけません。 さて、前置きが長くなりましたが、では、そうした天体までに光、まあ電波も同じ電磁波なので、通信が届くのにどれくらいかかるでしょうか。星座の星なら何光年みたいなズバリな言い方がありますが、それをあまり聞かない太陽系の一覧にしてみました。もとより軌道の関係で、天体が地球に近いときと遠いがありますので、平均ではということになります。(内惑星である水星と金星の平均距離は太陽と同じになります)
★ インターネットといいますか、いわゆるホームページ(WEB)は、スイスにある国際的な素粒子実験施設CERNで誕生しました。場内の様々な情報の共有のために、同所の上級技術者であったティム・バーナーズ・リーが1990年12月にNeXTというUNIXというOS(Windowsのようなもの)で作動するワークステーション(大型コンピュータ並の能力を持つデスクにのるコンピュータ。いまはほぼPCに統合された死語)に実装したものです。 このWEBの技術は1993年に開放され、当時発展しつつあったインターネット網に接続されていた官民の研究機関を中心に広がっていき、様々な情報が「インターネットのWEB」で入手できるようになり、いまや、世界の情報の基盤となっています さて、このWEBは研究機関からはじまったこともあり、NASAなど宇宙研究に関係する機関も、当初から天文台や宇宙探査機が撮影した写真や動画の公開をはじめました。NASAについてはもともと、各機関のほかに、アメリカの各州に写真や映像を特に教育向けに提供する事務所を構え、公開専属の職員をかまえていたこともあり、これらの機能がWEBへも反映されていきました。また、権利関係についても非営利・教育目的に使いやすいように整備されています(※)。 なお、この権利関係については時々見直されることがあり、適宜チェックが必要です。基本的には、使いやすくなるようへの改訂です。(NASAのロゴマークの使用だけはずっと厳格です。) NASAのホームページは研究や開発のブランチごとに多数ありますが、基本は https://www.nasa.gov/ です。画像は、https://images.nasa.gov/ の検索ページが便利だと思います。 ※2023年8月11日現在の権利について https://www.nasa.gov/multimedia/guidelines/index.html 1)非営利目的の静止画、音声録音、ビデオ、および関連するコンピューターファイル NASA製作のものは、断りなしに使えます(個人のWEBもふくむ)。出所はNASAだということは消えません。第三者の製作物をNASAのサイトでお断りしたうえで使用していることがあるが、これはその製作者に個別に問い合わせてください。 2)商業目的で使用されるNASAのコンテンツ 広告などについて、それぞれガイドラインが示されています。NASAのアポロ計画には「オメガの時計」が使われました。といったことは、事実をきちんとなぞりなさいというルールになっています。おもしろいのは「NASAは、アルコールやタバコ製品に関連するプロモーションには協力しないという長年の方針を持っています」ということですね。その他は、https://www.nasa.gov/multimedia/guidelines/index.html からガイドラインをたどって確認してください。 ★ 社会科の地理の学習には「地図帳」が定番です。日本では、帝国書院のものがよく知られていますね。様々な地図が一冊になっており、地域の特徴などが記事になっていることもあり、何かで話題になった地域について調べるには便利です。もっとも最近はネット地図が非常に便利になったので、出番は減っていますね。 一方で、理科の天文の学習には、「星図帳」があればいいなということになります。単に星図があるだけでなく、解説などもあると見ている星についていろいろなことがわかってきます。広島文理大学の村上忠敬さんは、戦前の1934年に「全天星図」を作成しましたが、まさにそういう考えの図でした。俗に村上星図と呼ばれるこの星図帳は判をかさね、昭和中期ではよく知られた星図でした。星空の案内役として、多くの天文ファンを導いたそうです。 ただ、そこから進んで、彗星の捜査をしようとか、変光星の観測をしようとかなると、掲載された星の数など使いにくく、別の星図にみなシフトしていくことになります。 ★ ストラスブールは、フランスの北東部のアルザス地方、ドイツとの国境のライン川沿いにある古い都市です。ライン川を使った交易の要衝として栄えました。また、なんどもドイツ領になったりフランス領になったりという係争の地でもありました。 このストラスブールの旧市街は2017年にユネスコの世界遺産になっており、その構成物の一つとして、ストラスブール大聖堂(ノートルダム大聖堂)の天文時計があります。時刻だけでなく、月齢など天文の運行も知らせる機能をもった時計で、この手の時計としては世界最大のものとされています。他にも壁面日時計もいくつかあります。 さて、そのストラスブールは、現在も世界の天文学者にとって、重要な地位を占めています。その源泉は、ストラスブール大学に付属したストラスブール天文台であり、しばしば所属する科学者が重要な研究発表をしていますが、なによりも知られているのは、同天文台が運営する天文データセンターのデータベースSIMBADです。インターネットから使うことができます。 これは当初、世界中の天文学者が作った、様々な恒星のカタログを横断的に検索できるものとして作られており、たとえば織姫星(Vega)について検索をすると、 ![]() 次のようにVegaについての様々な情報が一気にしめされます。リンク先には元の論文やデータカタログが紐付けられており、星図などを表示するシステムと連携しています。とても便利です。全部英語ですが。読む方は自動翻訳でなんとかなりますが、問いかける方は、天文学と英語の知識が必要になります。 ![]() このSIMBADは無料で誰でも使えるもので、この天文データをベースにして研究することも可能です。実際に望遠鏡を使わなくても、観測データが好きにとれるので、バーチャル天文台といったりします。大学などに所属しなくとも、天文学の蓄積が活用できるすぐれものです。 ★ 人工衛星に望遠鏡を搭載する宇宙望遠鏡。当初は大気が邪魔で観測ができない、X線や紫外線、赤外線を観測するために宇宙空間に設置しました。地上から観測できる可視光や電波はわざわざ運用が面倒な宇宙に設置する必要がなかったからですね。 ところが、国際紫外線天文衛星(IUE:1978年打ち上げ)が大成功し、また1983年には赤外線天文衛星(IRAS)も画期的な仕事をし、撮像管だったものがCCDのような半導体二次元撮像素子になりと環境が整い、可視光や近赤外の宇宙望遠鏡を打ち上げるということになっていったのです。 そして打ち上がったのが1990年のハッブル宇宙望遠鏡です。それまでは機能をそのまま名前にしたようなものですが、人名がつきました。ハッブルはアンドロメダ銀河が天の川銀河の外にある天体であることを発見し、宇宙が膨張していることを示唆する研究をしたアメリカの天文学者、エドウィン・ハッブルにちなんでいます。 その後に製作された宇宙望遠鏡も、人名がつくものが多くあります。 スピッツァー宇宙望遠鏡は、1940年代に宇宙望遠鏡を提唱した研究者の名前。 チャンドラX線天文衛星 インド出身の科学者でチャンドラセカールにちなみます。 ハーシェル宇宙望遠鏡 大型の赤外線宇宙望遠鏡で、天王星と赤外線の発見者でもある英国の科学者ウィリアム・ハーシェルにちなみます。 ケプラー宇宙望遠鏡は、17世紀に活躍した科学者ケプラーにちなみます。惑星の軌道の3法則で有名ですが、ケプラー式望遠鏡の考案者でもあります。 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 これは科学者でなく行政官としてNASAの長官も務めたジェイムズ・E・ウェッブにちなみます。彼は有人月着陸のアポロ計画や惑星探査計画などを指揮し、成功に導いています。 ★ ロウソクの光も、直射日光も、両方とも明るいものです。ただ、その明るさが全く違うことは言を待ちません。 では、それはどれくらい違うのか。意外とこれを探すと資料がないのですが、天文学のデータブックで古典的な標準といわれるAllen's Astrophysical Quantities(第4版)の119ページに載っているのをたまたま見つけました(Walsh,J,W.T.,Photometry,3rded.(Dover社)のP529が典拠) それによると ロウソクの明るさが0.6に対し、 天頂から降り注ぐ太陽光は165000で、 30万倍も明るさが違います。 その他には、アセチレンランプが10.8、白熱電球のフィラメントが800、快晴の青空が0.2−0.6です。おもしろいのはアーク灯で16000です。なお、時代が時代のデータなので、例えば典型的なLEDランプの明るさなどは掲載されていません。 ★ 星は日常感覚からすると、無限といっていいほど遠くにありますが、本当に無限であれば見えなくなるので、有限の距離があります。では、その星までの距離を測るにはどうすればいいのでしょうか? これにはいろいろな方法がありますが、一番直接的なのは、人間が両目で距離を推定するのと同じ「視差」を使う方法です。すなわち、2カ所から星を見て、2カ所の間の距離と見える方向の違いから距離を測定する方法です。星の距離はうんと遠いので、2カ所には、人類が達成できる最も遠距離である、地球が太陽の向こうとコッチになる。夏と冬、秋と春などの場所が使われました。2カ所間の距離は3億kmです。この地球の半年あいての角度の差を特に「年周視差」といいます。 恒星の中で一番近いのがプロキシマという星ですが(プロキシマは最も近いという意味)プロキシマ(Proxima)の年周視差は、SIMBAD http://simbad.u-strasbg.fr/simbad/ という天文データベースで調べると、768.0665ミリ秒角とあります。5000分の1度であり、ラジアン単位だとざっと30万分の1ラジアンです。実は年周視差は2点間の距離の半分に換算することになっている(太陽〜地球間の距離)ます。 小さい角度の場合、 ラジアンであらわした角度×対象までの距離=測定2点間の距離ですので 対象までの距離は=測定2点間の距離/ラジアンであらわした角度になります。 つまりプロキシマまでの距離は 1.5億÷1/30万 〜45兆kmとなります。厳密に計算すると40兆kmであり、1光年は9.46兆kmなので、4.2光年あまりがプロキシマまでの距離となります。 なお、プロキシマはケンタウルス座という南天の星座の星で、大阪からは見えません。北緯28度以南ならばわかりますが、奄美大島より南で見られます。ただし、明るさは11等と、肉眼はもとより見えず、小型望遠鏡でもとらえるのが困難な明るさです。 |
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